ファゴットの吹きかた

ファゴットの吹きかたとはなんぞや、と日々葛藤するブログです。

第10回門下発表会でした。〜講評とかいろいろ〜

こんにちは。すっかり間があくようになり、このブログの存在を忘れられている方も多いかと思います・・・。笑

文章をかくのはあまり得意ではないため、なかなかきっかけがないと書くに至りませんね。もうちょっと頑張ります。ネタはたくさんあるんですが。

 

さて、11/5に門下発表会がありました。

年3回というすさまじいペースで行われているファゴットの発表会は日本中探してもここしかないよ、とよく言われます、そうかもしれませんね。もしあったら教えてください、主催者の方とお酒を飲みに行きたいです。笑

基本的にファゴットの方とアンサンブルで参加希望の方はどなたでも出演できる会ですので、興味がある方はこちら↓まで。

発表会参加・お問い合わせフォーム

実は最近の開催では、ほぼ毎回ブログを見て参加希望をしてくれる人がいます。

「興味はあるけど曲なんてやったことないし自分がソロなんてとんでもない」と思った方、たぶんそれが普通です。それでもだいたい2〜3回目の参加ではウェーバーのコンチェルトを普通に演奏してしまうくらいにはみんなレベルアップします。

毎回言ってますが「手っ取り早くうまくなるには人前でソロ曲演奏するのがいちばん手っ取り早いでしょ」というヌルいコンセプトのもと行われている会ですので、興味をもったらとにかくお問い合わせください。初心者でも吹ける曲からプロでも手が出ない曲までレパートリーはたくさんあるんですよ〜。

 

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さて、ここからは曲ごとの講評となります。個人名は書きませんがプログラム順ですし出演者やお客様には誰のことかわかるようになっています。なのでそれ以外の方にはあまり興味のない内容になってしまいますのでここでこの記事は終わりだと思ってください。内容が少なくて申し訳ありません。次の記事を気長にお待ちくださいませ・・・。

 

 

1.無伴奏チェロ組曲第3番より「ブレー1」/バッハ

ファゴット、というより音楽を初めて半年、僕のところにレッスンにくるようになって1ヶ月ちょっとの子の演奏でした。初心者はだいたい1番手を任せる(音出ししたあとすぐ吹ける)んですよね。本番とつぜん吹けなかった箇所というのは偶然ではなく、練度が低かった場所が傷として本番でパックリ開きます。これから先もそういった悔しさをたくさん感じると思いますが、それへの向き合い方は一緒に覚えていきましょう。

演奏自体は十分でした。これからに「も」期待の一言ですが、ステージでの振る舞いが一番気になりました。ステージに上がりチューニング、ピアニストに目配せして演奏開始、演奏終わったら拍手をくださる方へ誠意をもって礼をする、という美しい一連の流れがゼロでした。いえいえ、初心者だから当たり前ですが、今はそーいうところをから見直していくのが一番大事だと思います。人の演奏みてたから、もう分かるよね。

 

2.演奏会用独奏曲/ピエルネ

ピアニストが連れてきてくれた高校3年生の演奏でした。先生は僕の大学の先輩でありスーパースターであるとあるお方で、その教えがたくさん見えるとっても素敵なピエルネでした。

緊張しているとおもうのだけど、まったく感じさせない演奏と振る舞い、とっても立派でした。先生のようなかっこいいファゴット吹きになっていってほしいなと思います。ファゴットの曲に興味があったら次回以降もよかったら出演してほしいです。

 

3.ブルレスク/ボザ

数日前に言った「稀に見る安定感」が本番ではさらにレベルアップしていました。安定感のある演奏というのはある種彼女のテーマのようなもので、技術とセンスは抜群、でも本番でこけちゃう、という傾向があったので今回の演奏で得た自信は今後の糧となる事でしょう。自覚があるかは分かりませんが楽器の鳴らし方もとっても上手になっています。もう音が小さいなんて誰にも言われない(言われたらその人を発表会に呼んでください♡)でしょう。「遅いとこがへただね♡」と言いましたが、それは速いとこからの比較でそう聞こえるだけで、ちゃんとレベルアップしていますのでその方向性でいきましょう。衣装が黒でしたが、それも結構似合ってました。カラードレスだからいい、ってわけでもないのかもね。

悪い事はぜったい言いませんから1ヶ月1曲だけ、エチュードやってみませんか?何度でも言うよ俺は。笑

 

4.ファゴットソナタ/グリンカ

友人枠代表の演奏でした。いつもこの子が演奏した曲をみーーんなやりたがる、ってくらい、アマチュアながらハードルを上げにきてくれます。

たぶんいろんな人にいろんな事を言われたのでしょうが、僕はもっと君らしいこってりとしたグリンカを期待していたので、ちょっと驚きました。もっと攻める部分が聞きたかった気もします。でも貫禄たっぷりでした!次回の曲、お待ちしてます!

 

5.オーボエソナタより第1.2楽章/テレマン

友人枠とアンサンブル枠の間のような存在、いつも出演についていろいろ起きるよね・・・笑

通奏低音を吹かせてもらったので、演奏についてもちょっと口出しさせてもらったのだけど、とても魅力的になっていて驚きました!それだけ人から吸収する力を持っているのなら、もっとひとの演奏に興味を持ってひとの演奏に反応できるともっともっと素敵な演奏ができるようになると思います。

技術的には音の処理がもうひとつ、というところでしょうか。でも安定感のあるとてもいい演奏でした。なんか通奏低音やたら褒められたよ。笑

メンバー見つけるのも課していたはずなので、次回のエントリーを楽しみにしてますね。

 

6.ヴェニスの謝肉祭/ジュナン

ゲストひとりめ!本人にはもう言ってあるのですが、僕がゲストに求めてる演奏をすべてかなえてくれて、それをはるかに越える演奏でした。ほんと心から尊敬しています。お弟子さんつれてぜひまた来てください。僕も負けずに頑張ります。

 

7.ファゴット協奏曲より第1楽章/ウェーバー

ウェーバー7連発、ひとりめ。今回はO先生のレッスンなしでの参戦だったということで、曲についてたくさん情報を与える必要があって彼女の根本的なところにあまり触れてあげることができず、そこが自分としてはすこし悔しかった。次回は2〜3回きますか・・・?そこらへんは、O先生のレッスンとバランス取りましょう。苦手なはずなのにたくさんたくさん攻める演奏をみせてくれて、僕はとっても嬉しかった。ロマンチックにもっと磨きをかければファゴットも人間も魅力的になっていくことでしょう。今後も期待してます!

 

8.ファゴット協奏曲より第1楽章/ウェーバー

ウェーバー7連発ひとりめ、初心者ふたりめ。笑 自分としてはどうだったんでしょうか。レッスンで出来てたことが出来ない、というのは当たり前として、そんなことはどうでもよくて、出来てなかったことがたくさんできるようになっていたことが僕はとっても嬉しかった。フルートと二足のわらじを勧めた身としては、君がこんなに立派にウェーバーを吹ききったことは誇りに思います。自分でも、自信を持ってほしいです。紹介したオケからも評判がいいのはそういった音楽への誠実さが周りにいい影響を与えるからなんだと思います。発表会への参戦は今後どうなるかわからないと思うのだけど、たぶんずっとやってることだから、また来てね。フルートでもいいよ。笑

 

9.ファゴット協奏曲より第1.2楽章/ウェーバー

O門下生による友人枠での出演でした。門下入りしたてとのことですが、門下特有のきらきらした音楽がたくさん見えて懐かしい(?)気持ちになりました。

たぶん自身で課題をたくさんもって練習をしていると思うので僕から言うことはあまりないのだけど、言われる課題を乗り越えるのも大事ですが自分の好みを押し通すのも大事です。O門下生で活躍している先輩たちも先生に言われたことを越えて色んな技術や表現に挑戦していますので、君もそうあってほしいと僕は思います〜。

同門として誇らしい堂々とした演奏でした!

 

10.ファゴット協奏曲より第1楽章/ウェーバー

ウェーバー7連発、というのをもっとも恐れていたのは多分この人です。でも恐れて終わりではなく、慣れない仕事も大変だっただろうに本当によく練習してきたと思います。ウェーバー内ではMVPだ!と思って終演後に言うか悩んだのですが、ウェーバー組は等しくみんな頑張っていたので誰かひとりを持ち上げるのもな、と思ったので言いませんでした。毎回、ほんとよく伸びます。楽器の扱いにも慣れてきたと思うので、そのよく鳴る音を大切にしていってほしい。次回もとっても楽しみです。課題は「ロマンチック」かな。

 

11.ファゴット協奏曲より第1楽章/ウェーバー

ウェーバー7連発を、たぶんもっとも楽しんでいたのはこの人でしょう。笑 高いハードルをくぐったり乗り越えたりがどうやら得意なようなので、今後ともハードルはきっちり設置させていただきますね。笑 

まー本番いろいろあったのはさておき、ウェーバーで必要な技術や表現はじゅうぶん身についたと思います。そーいう意味ではウェーバー組の中でもっとも伸びたと言えます。とはいえ、そーいう技術は元々結構あったので、問題はそこではないかも。

前回やれていた「1音1音のクオリティ」をちょっと忘れつつあります。そりゃまぁ、できるようになったことなんてすぐ忘れてしまうのが人間なので、それでいいのですが、また思い出していきましょう。楽器のコントロールももっと必要ですね。楽器屋さんでリードを片っ端から試奏してみることです。時間制限や本数制限なんてあってないようなものです(たぶん)

報告おつかれさま。笑

 

12.ファゴット協奏曲より第1楽章/ウェーバー

プログラムの通しナンバー、2人連続12.になってましたね・・・。笑

今回いちばん予測不能で、選曲は無茶だし伸び代はレッスン毎にばらつきが多くて。10人に1人くらいいる、「楽器で音を読む」病が深刻だったのだけど、本番までにかなり克服できたんじゃないかなと思います。

講評としては「よく健闘した 」といったところ。熱意と誠実さが形になったからこその演奏でした。練習してできるようになる、ということがどーいうことなのか、分かってきたことが何よりの収穫です。

とはいえ、名曲の魅力を聴いてる人に伝えるには足りないところが多かったのもまた事実。背伸びは一旦置いといて、もっと地を這うような練習を続けていつかこの曲のリベンジをしましょう!

 

12.ファゴット協奏曲/ウェーバー

ゲストとして、7連発の最後をつとめるのは結構な重責があったと思います。もちろん君に言うような指摘を俺が持ち合わせるわけもないのだけど、もうちょっとこの曲についての深い理解があってもいいんじゃないかな、という印象はありました。といっても君はまだまだ若いので、たぶん次にどこかで聴くウェーバーは遥か高みにいることかと思いますので、僕も負けないように頑張ります。

次回おやすみとのことですが、次次回以降もまた来てね。だんだん忙しくなってきて毎回というわけにはいかなくなるだろうけれど、この会はずっとある(ようにがんばる)ので出れるときに、またきてほしい。いつまでもみんなの憧れでいてほしいな。

 

13.エアボーン/ショッカー

友人枠フルート、もはや不動のポジションとなりつつある。

参加者から「木五やりたい」という声がよく上がるのだけど、フルートどうしよう、と言われて「この子は?」というと「おそれおおいです」とよく言われます。

いやでも確かに、フルートを吹いてるときの貫禄はプロ顔負けです。相方ありきなのかもしれないけど、本当に君のフルートは素晴らしい。楽器をこえて見習うべきものをいつもたくさん勉強させてもらっています。

また面白いもの聴かせにきてください!木五も、よかったらぜひに!

 

14.無伴奏チェロ組曲第1番よりメヌエット、ジーグ/バッハ

楽章替えを指示したときからは別人のようでした。君のファゴットへの誠実さは見習うところが多く、他の子のレッスン時に一番名前が出る存在です。自分で課題はわかっていると思うのでここで多くは語りませんが、この壮大な曲をしっかり演奏しきったことをぜひ誇りに思ってほしい。誰でも挑戦できる領域ではなかったと思います。

鼻抜けについてはこの曲やるにあたってしょうがないと思う(僕もはじめての鼻抜けはこれだった)のでとりあえずあまり気にせず。今後起きるようならまた考えましょう。

ちなみに開演前までは君がMVPかな、と思ってました。思いの外いい演奏する子が多すぎた。

 

15.ファゴット協奏曲より第1楽章/ダンツィ

準MVP。こんな地味な曲でそんないい演奏ができる子、他にいないんじゃないのかな。

安定感や本番強さはもちろん、古典派を「聴かせる」ワザを身につけられたんじゃないかなと思います。常々僕が「審査がある」と言ってるモーツァルト、君ならやりたいときにいつでもやってくれてだいじょうぶです。門下内にファンの多い君ですが、今後とも面白いものみせてほしいです。本業で忙しい中、本当によく頑張りました!

 

16.プルミエソロ/ブルドー

いやーほんと、本番で突然発揮される表現力、脱帽でした。その気まぐれぐあい、まったく誰に似たんだか。笑

練習時間の使い方、本番で使える表現力と技術、楽器の鳴らし方、どれをとってもやはり門下トップクラス、という地位をこれだけ急激にレベルアップしている子達の中で保てるのはすごいと思う。準MVPでした。ちょっと相手が悪かった。笑

とはいえ、「指は回るから」はそろそろ言えなくなってきてる気がします。音を並べるということ、今一度みなおしてみてほしい。たぶん練習ペースは今のままでいいから、曲決めと準備の始めをもっと早くすれば解決することかな、と思います。

いやそれにしても、いい演奏だった。次回ブルドー祭りあるのでは。

 

17.ディベルティメントNo.1/モーツァルト

トリオダンシュでの参戦でした。日常から仲のいい3人であるのが演奏にもちゃんとあらわれていて、アンサンブルの憧れをかきたてる演奏だったと思います。レッスン時に言いまくったフレーズの最後の処理もすごく良くなっていました。たくさん合わせをしただけあって安心して聞けました。

さて一方で、トリオダンシュって合って聴こえて当たり前なんですよね。「まぁズレてはいない」くらいで満足してしまうと、魅力半減です。違う楽器なのに同属楽器である三重奏のアンサンブルのハードルはもっと高いです。もっといい音がします。アンサンブルは個人技です。もっともっと他人の演奏に興味を持っていきましょう。次回のエントリーもお待ちしてます!

 

18.ロマンス/エルガー

2曲抱えてこのクオリティ、さすがでした。ピアニストへの反応の仕方がピカイチです。ファゴット吹き、なぜかみんな他人に影響されて洗練されていきます。そーいう意味で今回、ピアニストと2曲やれたことはとってもよかったのかもしれないね。表現の難しい曲のはずなのに、ちゃんと伝わりました。これは誰にでもできることではないので、自信をもってほしいです。

一方で問題は技術面ですね。楽器の鳴らし方、そろそろ壁を越えていい頃だと思います。オーバーブローをなくすこと、ビブラートを取ったらどんな音がするか試すこと、リードや楽器を見直してみること、いろいろ入り口はあると思うのでぜひ試してみてください。

 

19.ロマンス/ブルッフ

いやー、もう、直接言ったんだけどさ、好きでした。俺にはできない、でも俺の大好きなブルッフのロマンスだった。次回ブルッフやりたい、っていう声が結構あがっていて、「そうだろうそうだろう、俺の大好きなファゴット奏者はすごいだろう」となぜか俺が威張ってます。へへん。大阪と東京、もっと近くならないかなぁ、いろんな意味で。東西の壁を僕たちでぶっ壊していきましょう。

 

20.ファゴットとオブリガードチェンバロのための二重奏曲より第1.3楽章/シャフラート

最年長の演奏、大変にご立派でした!僕のようなワカモノには想像もつきませんが、そのお歳でそこまでレベルアップできること、本当に尊敬します。僕のふたりめの師(あの高名なK先生のことですが)は今でもレベルアップしようとしていますが、それに近いものを感じました。ちょっとおふたりを引き合わせてみたくもあります。笑

またぜひ、素敵な師匠のもと腕を磨いて挑戦しにきてほしいです!今後ともよろしくお願いいたします。

 

21.オーボエ協奏曲ニ短調/アルビノーニ

MVPだ!と思いながら聴いてました。友人枠にMVPは設けませんが、曲への理解、そのための技術、安定感、ピアニストへの共鳴の仕方など、あらゆる部分でハイクオリティでした。ファゴットの生徒たちに見習わせたい部分がとってもたくさんありました。

失礼ながら前回のアンサンブルのときはそうでもなかったので、レベルアップしたのか、思い入れがあったのか、そもそもソロ向きなのかは分かりませんが、今後ともエントリーしていってほしいです。今回のような向き合い方をアンサンブルでもしてみてくれたら、たぶんその団体は素晴らしい演奏になることでしょう。

 

22.無伴奏チェロ組曲第3番より「ブレー1」/バッハ

直前の曲変えにビビらない度胸は門下トップです、間違いなく。いやそりゃぁビビってたんだとは思うのだけど、堂々としていて素敵でした。やれることをやれる範囲でやる、というのは同い年の大人として見習わないとな、と思うところです。

ただ、この会は基本的にソロを演奏する場なので、間に合わなかったから曲変えます、となってもほとんど誰にも迷惑をかけないです。でも、そんなことなんども繰り返すわけにはいかないから、今後は頑張りましょう。楽器は結構うまいです。必要な技術や鳴らし方も心得ているしセンスもあります。ただひたすら、譜面を読むのと練習が下手すぎるだけ。覚えましょう。誠実さや想いは音にして初めて伝わります。伝えてなんぼでしょう。

前お話したことだけど、とくに君の普段いる世界ではファゴットの世界代表になりがちです。誇りを持ってほしいし、魅力的なこの楽器をもっともっと広めていきましょう。さぁエチュードをさらうんだ。ゆっくりね。

 

23.アンダンテとロンド/ミルデ

ファゴット芸人卒業おめでとう!再入学しないように。

ウェーバーの頃にも感じてたし打ち上げで話したけど、君の音楽表現能力は本当にすごい。表現も技術のひとつだと思います。ただただ、それを伝えるための他の技術が乏しいのが悔しい!俺は聴いててなんだか悔しかったです、この才能がなんでこんなに残念に聴こえてしまうんだろう、と。笑

身につけましょう。音楽そのものの経験値が浅いことはもうハンデにはならないから、ファゴットの吹き方をもっと覚えましょう。エチュード月1曲(以上)、挑戦してみませんか?

 

24.ファゴットソナタ/ケックラン

こだわりと想いが強くなりがちなこの曲。そこに寄らずきちんと向き合ってきたことが伝わってくる、友人枠にもっとも求めたい要素がつまった演奏でした。打ち上げで「ケックラン、リベンジしていい?」と言ってくれました。本当はあなたにはもっといろんな曲吹いて聴かせてほしいんですけれど、60近い(そろそろ怒られそう笑)人にそんなまっすぐな想いを見せられたらだめですなんて(何度もは)言えませんでした。笑 ピアニストへの負荷の多い曲ですが、リベンジ楽しみにしていますね!

 

25.ファゴットソナタ/サンサーンス

この会でお願いしているゲストたちは、いつも僕の期待を遥かに越えてこたえてくれます。生徒たちに憧れのファゴット奏者をたくさん作ってほしい。本物の演奏を身近で聴かせてほしい。あたらしいレパートリーをじっくり聴いてみてほしい。など、いろんな気持ちをもってお願いしているのですが・・・

僕の持っているうちの発表会のゲストという概念を覆すくらい、ぶったまげるほど素晴らしいサンサーンスでした。生徒にこの曲は基本的にあまりやらせない(きつい審査をもうけています笑)のですが、その審査はますます厳しくなりました。笑

とても忙しい中、ほんとうにありがとう!いろいろと不備のある会ではありますが、ご都合ついたらまたぜひ吹きにきてください。

 

26.ファゴット協奏曲RV497より第1.2楽章/ヴィヴァルディ

自分の演奏です。笑

他のSNS媒体と重なってしまいますが、今回、はじめてプログム内で自分も演奏しました。

僕はファゴット奏者です。オーケストラや吹奏楽の演奏、室内楽での演奏派遣、リードの販売、ファゴットや合奏の指導などを中心に活動していますが、どうにも「教える仕事」に偏ったイメージを持たれている(ような気がする)ところがあります。楽器を教えるのをメインにするのがどうなのか、という話ではなく、僕自身の信条として「現役のプレイヤーであるからこそ教えてあげられる、みせてあげられるものがある」というものがあります。そーいう意味で、決意の演奏でした。

とても苦手とする運営や事務作業を一人でこなさなければならない発表会、準備やコンディションが最低ラインな中ではじゅうぶんな演奏はむずかしい、と考え避けてきたんですよね。まぁ結果として演奏がどうだったかは、まぁその、おいといて。今後とも挑戦していきたいと思っています。

 

27.悲愴三重奏曲/グリンカ

まずはレッスンに行ってあげられなくてごめんなさい!立場や環境を越えたメンバーでのアンサンブル、どうにもいびつになりがちなのですが、そういった問題を感じさせない演奏でした。多機能な近代兵器のような楽器であるクラリネットファゴットが一緒に演奏するのはとても難しいことだと思います。

けっこうな長さのあるこの曲が、まったく長く聴こえませんでした。今後ともふたりのレパートリーを増やしにきてくれると嬉しいです。

 

28.ファゴットソナタ/ヒンデミット

いつも言うMVPとは、レッスン、ピアノ合わせ、本番への伸び代からはかるもので、結果としてうまい演奏をした人にあたえるものではないのですが、単純に参加者の中でもっともいい演奏だったのがこの人だと思います。

技術やセンスはもちろん、吸収力や対応力、ピアノへの共鳴の仕方、曲への向き合い方やさらい方のレベルの高さが満載の名演でした。もう誰が一番うまいのかわからなくなってきた。それでこそ発表会だよね。

ただ「ありがちないびつさ」が少し気になりました。具体的には指の動きと息が連動してしまうこと、フォルテが鳴りきらないことがあること、(おそらく)運指ミスによる音程のズレ、フレーズ語尾の処理がイマイチなど、バランスがいい反面悪いことろも「ありがち」な部分が多かった。それがオーソドックスなんだとは思うけど、そこらへん1つ1つ潰していくともっとファンが生まれるんじゃないだろうか。次回も楽しみにしています!

 

29.サロン用小品/カリヴォダ

友人枠、たぶんこの人のために作った枠なんだと思います。これが最後の出演になってしまう恐れもあるのだけど、たぶんそうはならないかな。こんな楽しいこと、やめられないよね?そうだよね?

「簡単そうに吹く」と、たぶんみんなに言われて「そんなわけないじゃん!」と答えてきたんだと思います。簡単そうに吹く、というのは、よく言えば堅実な練習による安定感からくるものです。わるく言えば難しいところはクリアしているものの、クリアしているだけで魅力的でない、という意味なんだと僕は思います。いい演奏って、難しいことをクリアしていれば生まれるものではなくて、欲だったり想いだったり知識だったり経験だったり、そういったところから生まれてくるんだと思います。

たぶん君はレッスン1回で曲吹いたらダメです。吹けてないままでいいから何回もレッスンにいって、もっと悩んで演奏して欲しい。そうしたらきっと、「簡単そうに吹く」ではなく「抜群の演奏でした」と言ってもらえるんじゃないかな。

オーボエ、辞めないでください。それが楽器の世界に引き戻した人間(たち)のたった一つのお願いです。

 

30.ファゴットソナタヘ短調/テレマン

MVPでした。もう俺が言うまでもなく、圧倒的な名演でした。

前日の合わせでできなかったこと、本番突然やるのはもう門下の遺伝子なんでしょうけれど、それによって生まれた歪みやミスが気づいてる部分以上にたっっっっっくさんありました。崩壊してもおかしくなかった。君の名演は、ピアニストがそれを慈愛の心で掬い上げてくれた生まれたものです。一種の奇跡なので、慢心せずこれからも頑張っていってほしい。

会にもソロ曲にも良くも悪くも場慣れしてひょうひょうと演奏をこなす子が増えてきた中、君みたいに一途な子がいるのは僕としてもとっても面白い。人の演奏もよく聴いていて学ぶこともきっとたくさんあったでしょう。そのふるえた心を忘れずに。あと彼女作りましょう。

 

 

ふー。1万文字弱の長文、読み返したら変な日本語たくさんあるのだろうけど、僕は物書きではない上に学がないので、どうかご容赦ください。