ファゴットの吹きかた

ファゴットの吹きかたとはなんぞや、と日々葛藤するブログです。

第11回発表会でした。講評とか次回のこととか。

こんにちは。いつの間にか今年度も終わり、新しい年度が始まりますね。

新入生のみなさま、新入生を迎えるみなさま、新社会人のみなさまなど、新たな環境でも楽しく演奏していきましょう。

 

さて、先日、第11回門下発表会がありました。

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この発表会は、いつも初心者から上級者まで幅広い参加者がいるのですが、コンセプトは「曲を人前で演奏すれば手っ取り早くうまくなるはず」というところから来ているため、どなたでも参加でき、基本的に好きな曲を好きなように演奏してもらっています。ファゴットのソロ(プロのピアニストによる伴奏、レッスン1回無料)かアンサンブル(レッスン1回無料)でのエントリーを受け付けています。

それにしても今回はとてもレベルが高かった。技術的なものではなく、曲の完成度や個々の成長具合が歴代最高だったかと思います。魅力的な演奏をたくさん聴いてとてもいい刺激になりました。

今回も僕自身もしっかり演奏しました。やはりきついのですが、今後とも色々と挑戦して行こうかと思います。

 

次回発表会のご案内です。

2018年7月8日(日)お昼頃開演、会場未定(決まり次第記事更新します)

ファゴットソロ(社会人)14000円

ファゴットソロ(学生)10000円

・アンサンブル(社会人・学生)1人6000円

※かけもちも可能、各レッスン1回無料

 

参加エントリーやお問い合わせは

発表会参加・お問い合わせフォーム

までどうぞ!

 

さて、恒例の講評タイムです。参加者やお客様以外には読んでも面白いものではないかと思いますので、次回記事をお待ちください・・・

 

1.コンチェルティーノ/ダビッド

主催者による演奏でした。どうしても企画運営やレッスンの方に気が向いてしまうこの会において、僕自身も生徒たちと一緒に演奏に向き合う、ということを前回からはじめています。

今後とも続けていきたいところ。

 

2.ファゴット協奏曲/ウェーバー

初めてのソロとは思えない、堂々とした素晴らしい演奏でした。2曲目にしてMVP決定か?と思ってしまったくらい。

とにかく楽曲の面白さが全プログラム中、最も発揮された演奏だったと思います。ささいなミスなど、本当に気にならないくらいに。

ソロを演奏するということは、演奏より前に大人数の前に出ることです。もし気にすべき点があるとすれば、その「見られている」感覚をもう少し養った方がいいかもしれません。また、ピアニストとのアンサンブルについてはもう一息あってもよかったかも。練習の時、ピアノからどんな音が鳴っているかの想定をあまりしていなかったように見えました。改善点があるとすればそのくらいでしょうか。

 

3.ピアノ三重奏曲第4番「街の歌」/ベートーヴェン

 

いわゆる「古典らしさ」や「ベートーヴェンらしさ」がとてもよく発揮されていました。吸収力の高さは2人ともさすがでしたが、この経験を生かして今後はもっと「らしさ」の出し方を研究していってほしいです。

クラリネットはもっとファゴットを見て。ファゴットは優しく寄り添うだけの楽器ではありません。相方のいろんな面を引き出すのも実力なのではないでしょうか。

ファゴットはもっと低音域の響きがピアノに溶けるよう意識できるといいです。そういった音を使えるようになればオケの2ndなどでも大活躍できるかと思います。

 

4.ファゴットソナタfmoll/テレマン

バロックもの得意」を名乗っていいかと思います。それだけ素晴らしい演奏でした。ほしいのは音楽的な「安定感」でしょうか。素晴らしい感覚を持っているのですが、その発揮のされかたにブレがあります。ピアニストへの反応は大変よかったです。通奏低音と二重奏、という感覚を掴めたのではないでしょうか。

装飾音符は「入れるために入れる」のではなく、音楽表現を彩るために入れられるとなおよかったです。

先生としての印象は、「ファゴットの吹きかた」そのものを一緒に見つめていけたらいいなと思いました。基盤となるテクニックが安定すれば、音楽的な安定感にも繋がるかも。

 

 

5.5つの小品/イベール

この発表会においていわくつき(?)なこの曲でしたが、大変な名演で1部のトリにふさわしかったと思います。

合図を出す人以外の2人が、それに反応して体を動かすのがちょっと気になりました。合図は静止して見ましょう。代わりにブレスを一緒に吸うと曲頭がもっと合います。

オーボエは技術より積極的な音楽を。トリオダンシュにおいてコンサートマスターのような立ち位置なので、オーボエが見せる音楽以上のものは生まれてきません。責任重大。

クラリネットはバランス感覚がとてもよく素晴らしかった。ソロの部分がもっと魅力的に吹けるといいです。やはりどちらもできないと。

ファゴットは響かせる音と周りに溶かす音がもっと切り替えられるとよかった。いい意味でも悪い意味でもいつも同じ音な印象があります。

 

 

6.ファゴット協奏曲/フォーゲル

前回同様、ステージ上のふるまいを覚えましょう。緊張しててもそれだけはできないと。お客様を大切に。

「できなかったこと」より「できたこと」を数えましょう。成長度合いで言えば君が一番です。丁寧に練習したらできなかったことができるようになっていく、という感覚を決して忘れないで。上手くなるということはそーいうことの連続です。

ピアノの先生にお礼の手紙を書きましょうか?

 

7.5つの民俗的小品より/シューマン

「変な曲やってください」というリクエストにいつも応えてくれてうれしいです♡

僕個人としては、やりたい演奏表現が誠実ではっきりと見えるのがとっても好みな演奏でした。

フレーズが少し短いことと、弱奏部にもう少し色や起伏があるとなおよいかもしれません。楽器がきちんと鳴っていますので、「きちんと」以外の鳴らしかたを覚えるとまた魅力的になっていくんじゃないかなと思います。

 

8.ファゴット協奏曲1楽章/ウェーバー

今回レッスンで一番厳しくしたような気がします。

「ここはなんとかなった」と自覚する箇所、自分で思ってる以上にうまくいっていたと思います。素晴らしかった。ここまで頑張ってきてくれるなら厳しくした甲斐がある、かも。

曲のことや克服すべきテクニックについてはレッスンで十分語っているのでここれは割愛。またじっくり挑戦していきましょう。うまくなるのってたのしいよ。

 

11.ファゴット協奏曲2.3楽章/ウェーバー

礼、身だしなみ、演奏時以外のふるまい。少し気にしましょう。演奏以外で他人の評価を下げてしまわないように。

自分のためではなく聞いている人のための音楽をしましょう。それができないほど下手ではないはずなのに、どうしても独りよがりに聞こえる傾向にあります。

「こう演奏する」としっかり決めたところと「こんな感じ?」と曖昧に決めているところがはっきりと音に出ています。密度に差があると聞いている人に飽きがきやすい。

3楽章へのこだわりが足りない印象でした。指をさらうというところから離れるべき。

2楽章はなかなかにおもしろかったです。歴代には及ばないものの、2、3楽章のハードルを下げることもなかったと思います。よく頑張った、というより、よく考えたね。

 

12.シシリエンヌ/フォーレ

やるべきことを きっちりやってきた、誠意あふれる演奏でした。 今後はそれに、自分の「こうやりたい」が乗ればさらに面白くなるでしょう。練習を成果にしていく面白さを忘れずに今後とも頑張っていってほしいです。

今回できるようになったことを、今後すべての譜面できっちりやっていけば見えてくるものも変わり、やりたいことも増えていくんじゃないかなぁと思います。選曲も君らしくて大変よかった。次が気になるところ。

 

 

13.管楽五重奏曲ハ長調/ライヒ

念願の木管五重奏でしたね。合わせの成果がきっちりと出ていて、安定感のある演奏でした。ライヒャはダンツィは曲の迫力にかまけてなんとなくやる、みたいなことをすると全く面白くない演奏になりがちなのですが、魅力たっぷり引き出せていたと思います。

チューニングの前にA以外の音を出すと嫌がる層がいます。もし問題なくAが出るようならチューニング前に別の音を出すのは控えた方がいいかも。

自分のソロ以外でフルートが過剰に動くのが気になりました。見られている意識を。

木五のクラリネットは何をおいてもまずは安定感がほしいところ。これでいいや、をたくさん感じてしまったので、もっと理想高くいきましょう。やってできないことはないのは知っています。逆にフルートは高い理想が前提で、それに至るプロセスが荒いような印象です。難しいところを「なんとかなっている」ではなく、その難しさが面白く聞こえるような演奏を目指してほしいところです。

ホルンはバランスを取るのが難しかったかと思います。会場での鳴りをすぐに察知して調整できるとなおよいかと思います。プロのホルン奏者でも難しいことのようですが、挑戦していっていいかと思います。

ファゴットはバランスがよく、支える音色が見事でした。自分の見せ場でもっとオラオラ演奏できるといいですね。

とまぁ随分なことを書きましたが、僕個人としてはとても好きな演奏でした。個人技がもっと光っていてほしかった。5人で光るのではなく、1人1人が光っているからこそ木管五重奏なんじゃないかな。

 

14.ルネ王の暖炉/ミヨー

まずはステージマナーです。これが良くないとどんないい演奏も受け入れてはもらえません。

木管五重奏がいい演奏をする方法はただ一つ、「個々がいい音を出す」です。そういった意味で、まだまだやれることがそれぞれあったのではないでしょうか。

全体としては、曲の情景が良くみえていい演奏でした。それぞれが考えバランスを取って音を出していていい感じでした。

フルートは譜面の表面を追うことにリソースをもっていかれていて、面白みにかける印象でした。曲のシーンにあった音色やビブラートは天性のものでしょうか。単純に楽器の奏法よりも音楽を演奏する、ということをもっと知っていった方がいいかもしれません。

オーボエは演奏への思いを強く感じました。その思いはいい方へも転びますが、他の4人をなんとかしようと無理をして自滅するシーンが何度か見受けられました。いい意味でもっと自分勝手に演奏できるといいかも。

クラリネットは素晴らしいバランス感覚でした。やはりソロパートの魅力がイマイチです。木五でクラリネットに集中して聴く人もたくさんいるかと思います。魅力的に!

ホルン・ファゴットは他人に構い過ぎて自分を見失うことがやはり多かった。低音パートとしてはよいのですが、やはりソリストしてもっと面白くないといい演奏には繋がりません。ファゴットはもっと「支え」の音色を身につけましょう。

 

 

15.ファゴットのための組曲/ロンゴ

技術的な成長をとても感じました。音色、指や舌の動き、その結果としての音並びがとても美しかったです。技術的な成長は結果として、音楽的魅力をもっと感じたかったところです。もっともっと欲をもって演奏していってほしいと思いました。

 

 

16.プルミエソロ/ブルドー

フォルテがない!結果として、息を入れないために出ていない音がかなりたくさんあります。よくまとまった無難な演奏、を越えましょう。ここまで聴き映えする曲でその印象はちょっと問題です。いい音も結構ですが、息のコントロールをもっと使って演奏するようにしましょう。

全体としては、ドラマを感じるいい演奏だったかと思います。よく和声を感じて演奏している印象です。努力してやっているなら素晴らしいし、なんとなくでやっているならそれはそれで素晴らしいところ。

いいダシが効いているのだけど塩分と油分が不足しすぎていて、栄養価がない、そんな印象でした。

最後のトリルはお見事。それだけうまくできるのなら前から繋げた練習もしてきてほしかった(してなかったでしょ?)

名演ゆえに、惜しい、と思うシーンの多い演奏でした。自分の伸び代を信じてもっともっと。

 

15.ファゴットソナタ/ハールストン

ステージでいい顔するようになったね。

1楽章のはつらつとした曲想、2楽章の色彩感、素晴らしかった。曲の魅力という意味では、MVPクラスだったと思います。

いつも2~3回目のレッスンでようやく「いい音でいちおう音がならぶ」状態になるのだけど、そこから1回目、くらいのさらい方をそろそろ覚えればもっと化けるんじゃないでしょうか。伸びた音にもっと方向性や意思を持たせましょう。

ピアノ伴奏のない部分の作り方は見事でした。なにより演奏を楽しめるようになってきたような印象です。でももっと楽しいはず!

 

 

16.トリオソナタ/コレッリ

様式、といいましょうか、雰囲気のある演奏でした。クラリネットのppは本気でやりすぎるとこの手の作品に合わないかもしれません。音量ではない方法でみせられるともっと素敵ですね。本気ppはほんの一瞬出すくらいでいいのかも。

チェロはもっと弾いてほしかった。次回はもっと派手な活躍の仕方をする作品に挑戦してほしいです。

装飾音符の入れ方は素敵でした。わかっていたのでしょうから、最初から決めて練習しないと二度手間です。

作品がら、アウフタクトにきちんと意味を持たせましょう。それを聴いて踊り出すのです。

アンサンブルのなかでも完成度はトップクラスでした。

 

17.ファゴットとピアノのための組曲/タンスマン

 

最初のAだけで金一封モノ。素晴らしい演奏でした。

自他共に認めるような「安定してるけどおもしろくない」というタイプだったと思うのですが、いい意味で変わらずその路線のまま、君は君らしいままこの大曲を魅力たっぷりに演奏してくれたこと、僕はとっても嬉しかったです。

変化していくことだけが全てではなく、今の形のままで洗練していくようなさま、新たな発見でした。お見事。

テンポが速いシーンで、曲や雰囲気に合った音色の変化があったらもっと素敵だったかもしれません。

 

 

18.ファゴット協奏曲/モーツァルト

20.モーツァルト

初参戦でこの大曲、お疲れ様でした。

誠実な練習はとても得意なようですが、正直いうと最初見たときはとてもモーツァルトではなかったです。一生取り組んでいくこの曲において、今回グッとこの曲に近づけたこと、苦労はあったと思いますが誇りに思ってよいとおもいます。

不自然なテンポの伸び縮みが少し気になりました。一人で吹いていても伴奏系が聞こえてくるような演奏を。

これだけ曲に向き合えるならどんな曲も怖くはないと思います。次の選曲・演奏も楽しみにしています!

カデンツァもお見事でした!なかなかそのクオリティのモーツァルトは聴けないかと思います。

 

 

19.ファゴット小協奏曲/ビッチ

「ゲストの人にはみんなが憧れるような演奏を」と僕が思うようになったのは君の演奏を聴いてからです。すべての音符から感じる説得力のようなものをいつもとても尊敬しています。お弟子さんの指導もあるなかお疲れ様でした。またぜひ演奏しに来てください!

 

22.セビリアの理髪師より6つのアリアより

レッスン時にお互いの得手不得手について話しましたが、見事克服されていてびっくりしました。原作オペラの雰囲気がとても感じられてたのしい演奏でした。合わせるべき和音をきっちり合わせているのもとっても好印象でした。

素晴らしい相棒っぷりでした。2人でオケに乗っているのもちょっと見にいきたいところ。

ファゴット吹きは他人に影響を受けて上手くなっていく生き物かと思います。これからも2人で影響しあっていけるといいですね!

 

 

23.ディベルティメント/モーツァルト

それぞれの役割をよく果たしていた三重奏だったと思います。おそらく3rd以外は役割が苦手分野だったかと思いますがきちんと成長していたと思います。1楽章はもう少しスピード感がほしかったかな?

やはりファゴットといえばモーツァルト、1つでも多く作品に触れていってほしいです。願わくば3人でも一人増やしてでも続けていってほしいメンバーです。

5楽章の出だし、2ndよくつけました。1stはなにかご飯でもおごってあげましょう。笑

3rdはふわっと低音に存在することにかけては右に出るモノはいないと思うのですが、ファゴットアンサンブルの下パートはそれだけではつとまりきりません、どんな編成よりも低音域に責任がありますのでこれを機にどんどん挑戦していってください。

 

24朗唱、シシリアーノとロンド/ボザ

恥をしのばずよく音出ししました。その手の開き直りは大切です。

新しい楽器のパフォーマンスがここにきて生かされてきたように思えます。

ハイEおみごと!ドヤ顔含めて値千金です。

また一皮むけたように思えます。君のファゴットはやはり門下生たちの憧れなんだなと思います。

もっとわざとらしく表現していい部分がたくさんあったので、まだまだいろんなレパートリーに挑戦していってください。

 

25.ボザファンタジー

冒頭の雰囲気、最高です!空気を一人で作れてしまうのは才能ともいえます。すばらしい。

ピアノ伴奏のあるときのpp、もう少し溶けたり響いたりする感覚を持った方がいいかもしれません。ppを出すのが目的ではないはず。

難曲を難曲と感じさせないような演奏、素晴らしかったです。今後は音色の操作が課題でしょうか。響く音、溶ける音、大きい音、小さい音、この4つの組み合わせだけでかなりの種類の音色がつくれます。

 

 

26.ノクターンとダンス/ボザ

堂々としていて好印象でした。いい意味でソロのステージになれてきましたね。

pで演奏するとき、中身がもっと色々あってよかったのではないでしょうか。小さく吹くことで精一杯にならないように。そこまで小さい音は期待されていないものです。

低音の鳴りがとても良かったと思います。思うのですが、そこまで低音が鳴るリードでハイEを出すのはちょっと難しいかもしれません。結果として出ましたが、そこに折り合いをつけられればもっとスムーズな音が出たのかも。

 

27.三重奏曲/フランセ

主催者挑戦シリーズその2。余裕のかけらもなく挑戦しましたが、皆の反応を見ているとやってよかったなと思います。素晴らしい相方にも恵まれました。

 

28.ファゴットソナタ/グリンカ

冒頭に関しては、厳しいことを言うなら、この曲は初見で譜読みした段階で1~2分譜読みしたら冒頭くらいはパッと吹けちゃう人がやる曲で、できるかできないか、くらいの状態で本番だとほぼできない曲、なんだと思います。2回目はよく当てました。

とはいえ、本来それを吹けなくはないことは僕は知っていますのでそれでも「上手くなった」の一言を送りたい。ピアノとのアンサンブル部分の音色・音量操作なんかはさすがでした。本番でできていることは君の能力のほんの2割程度だから、それを引き出す技術を今後もっともっと磨いていきましょう。

とりあえずピアニストに(謝罪ではなくお礼の意味で)頭をさげることです。

後半調子が出てきた、ということは音出しが足りなかったのかもしれません。当日の時間の使い方をもう少し調整してもいいかも。

 

27.幻想小曲集/シューマン

驚いた、ソロの時は別人のようですね。レッスン等の成果なのでしょうか。いずれにしろプロとして仕事の来るタイプの吹き方だと僕は思いますので、レッスンで言われたことをその場限りの頓服薬にせず、初見のものにも発揮していければ仕事なんてあちら側からやってきてくれるのではないでしょうか。

きになるとすれば和声感でしょうか。すこし楽譜を横ではなく縦に見ればまた違ったものが見えてくるのではないでしょうか。

2楽章の即興性、僕はすごく好きでした。

 

28.ファゴットソナタ/サンサーンス

何回吹いても冒頭のGは嫌です。

サンサーンスの洗礼は十二分に受けたのではないでしょうか。自分でどう思っているかはわかりませんが相当にハイレベルな演奏だったと思います。

pの中にもっと色や形があってこその作品だと思います。fにはたくさんあるのに・・・crescも急すぎることが多いようです。

ハイEへのこだわり、みせてもらいました。その心意気に感動しないファゴット吹きは存在しないでしょう。

音色もテクニックも相当なものです。それを発揮するための音楽的経験値が少々まだ足りてないのだと思います。まだまだ人生長いですので、いつかまたこの曲に挑戦してほしいなぁ

もっと迫力系の曲のが得意なのでしょうか?

 

 

29.ファゴット協奏曲/シュターミッツ

大ブラボーでした!好きと得意と技術がマッチするとここまでハマるのかと。本来ならMVP間違いなしです。相手(タンスマン)が悪かった。

まだまだ古典作品を楽しめる余地がありそうです。以前見えた無理な奏法も随分改善されてみえますので、今後とも色々と挑戦していってくださいね。

歴代最高クオリティのシュターミッツ、とは思っていましたが、ここまで魅力的に吹いてれるとは!

 

30.パパゲーノの歌/モーツァルト

挑戦しただけで素晴らしい、音が並んだら最高、くらいに思っていましたが予想の遥か上をいく演奏でした。

この曲のもつ面白さもきちんと表現されていました。劇的に成長した一人だと思います。他の人の演奏を聴けなかったのが残念です。次回はぜひ最初から最後までご参加くださいね。

 

31.三重奏曲/プーランク

トリとはこーいうものです。不安とプレッシャーの中よく準備してくれました。

オーボエはパワー不足、ファゴットは色彩感がもう少し、といったところでしょうか。ピアニストとのかけあいも、少ない合わせの中、面白いシーンがたくさんありました。

でもこの演奏に講評なんて要らないと思いますので、ここらへんで。2人とも、いつまでもみんなの憧れでいてください。