こんにちは。ファゴット奏者の殿村和也です。
少し本番から日が空いてしまいましたが第32回門下発表会が終了しました

男性陣が美白・・・っ!?ではなく白飛びしてしまいました。難しいですね、写真。
非常にレベルと精度が高く、平均的に優等生な演奏の多い回だったな~と思っております。
あとタイトルにもありますが学生さんがほぼいません。これは寂しいですねぇ。
大昔の回で、休憩時間中にレポートを書いていた子がいたのを思い出します。
人が減ろうと老人だらけになろうと僕がこの仕事をやっている限り続けていくつもりですのでご興味ある方はどうぞ。
次回のご案内です。
第33回殿村門下発表会(夏のひとときコンサート)
2025年7月27日(日)午後以降開演
立川市某所にて
・参加費(会場代、ピアニスト謝礼、レッスン代1回分込み)
ファゴットソロ(社会人)15000円
ファゴットソロ(学生)10000円
アンサンブルお1人6000円(人数によって多少増減します)
ファゴット吹きの方なら僕のレッスンを1回以上(1回分は参加費に含まれています)受けてくださればどなたでもご参加頂けます。
アンサンブル団体のエントリーも同様です。ファゴットを含まなくても構いません。
エントリーは下記フォームからどうぞ。〆切は特に設けておりませんが、ピアニストへのご依頼やご準備もあると思いますので6月末くらいまでとさせて頂いております。
お待ちしております~!
さて、ここからは第32回に参加した方への講評記事となります。
演奏を聴かずに講評だけ読む方もけっこういらっしゃるようで・・・。はてさて。
1.演奏会用独奏曲/ピエルネ
ピエルネ作品の軽さ、オシャレさなどの魅力たっぷりの演奏となっておりました。少し前からの演奏の印象でもあるのですが、発音や音程などにおいて非常に安定しており、いいリードを吹いて(つくられて)いるようですね!
いわゆる「やりたいこと」もしっかり表現できており、演奏から意思を感じました。作品の傾向や尺から考えても「やってやるぞーーー!!」みたいな演奏よりこのくらい脱力の効いた演奏の方がやっぱりこの曲は映えますね!
安定感がある一方で、発音や音色が一辺倒になりがち。強弱がないわけでもなくアゴーギグもいい感じに効いているのですが濃淡がない。フレーズ内のディレクションがあまり感じられないので、良くも悪くも「ちょっと眠い」演奏になる傾向にあります。
安定感のない演奏は悪い意味で眠れない演奏になりますが・・・ここまで安定してきたならもっと攻めていいし、こだわりはもっと強くて良かったと思いました。
ひとフレーズ内におさめるところ、向かうところ、決めるところフワッとするところなど決めて、そのためのテクニックを練習すると演奏の幅が広がると思いますので試してみましょう。目の前で生の人間が演奏する魅力がそこにあるはず。
2楽章のみでステージに立つの、思った以上のプレッシャーではなかったでしょうか。
大変優美な演奏でした。一瞬線が細いかな?と思っていましたが会場を上手く響かせることができていました。やはり箱は大切ですね。
フレーズの入り方や納め方にこだわりを感じるので細かなミスが全然気になりませんでした。大変すばらしいと思います。
途中、分かりやすい短調がありますね。もう少し感情的でよかったと思います。それ含めて「優美」という印象。良くも悪くも、ですが。音色があまり変わらないのであれば発音とダイナミクスの幅を変化をつけてみるといいでしょう。
オケと決めどころももう少し意識できるとよかったでしょうか。やっぱりオーケストラありきの協奏曲。普段オケ側にいる我々ですから、なおさら感じてほしかったところです。
カデンツァは薄味でしたが、そのまま3楽章が聴きたい!と思わせる出来でした。2で終わるならもう少し派手でもよかったかもしれませんね。3楽章もいつか!
いぶし銀な魅力のこの曲の魅力をしっかり引き出した演奏だったと思います。ホ短調のような派手さはなく、もう一つのイ短調のような軽快さもないこの曲ですがいいんですよね。演奏したご本人が一番よく分かっていることでしょう。
フレーズの運びにきちんとドラマがあって聴いていて飽きない演奏になっていました。ただフレーズが目的地に向かうときはとてもよく考えられているのですが、おさめるところに神経を使えてない箇所がときおり見られ、そこがとても惜しかったと思います。どう収まるのか、それとも次に向かうのか。細部にまで血液を巡らせた演奏を心がけてみてください。
ダイナミクスの変化にも富んでいたのですが、もっと薄い音と濃い音の変化がつくと良かったですね。具体的にはちょっと強すぎる音やちょっと弱すぎる音をたまにでいいので用いるとメリハリがついて良いと思いました。お試しください。
技術的に言うことはほとんとないです。このクオリティで演奏できればバロック作品の魅力をきちんと伝えられる奏者でいられると思います!
こだわりを感じる演奏でした。会場の響きと相まって吹いてて気持ちよかったんじゃないかな?聴いている側も非常に心地よい演奏となっていました。
テンポ感もよく楽章ごとのメリハリがついていてよかったですね!そのテンポで吹くの地味に難しいと思うのでよくやりました。いい練習ができていたんだなと思います。
(大した高さでもないのですが)ハイトーンの時に締まりきった音がしてしまうのが惜しいところです。リードが出にくいのなら仕方ありませんが、そもそもそこら辺が出にくい低音寄りのリードをこの曲では吹くべきではないので・・・ファルセットのような音を出せるように練習・リード探しをしてみましょう。
気になったのはフレーズの終わり。やっぱり音の切れ目に神経を使えていなくて、今回のようなよく響く会場だとより顕著に聴こえます。普段の練習環境にもよるのですが、静かな場所で自分のフレーズ終わりの音に気を使った練習を心がけましょう。ロングトーンやスケールでも気にかけて練習することは可能だと思うので習慣づけてみて。
5.演奏会用独奏曲/ルネ
和声感のある演奏だと思いました。ピアノが弾ける人特有のものかもしれません、非常に魅力的でした。
これは性格かもしれませんが、聴いてる人が「おっ」と思うような強い音や弱い音がたまにでいいので使えると、もっと人の心をつかめる演奏になると思います。
上記と近いですが、少し手元で音が鳴っている印象があります。あまり多くない機会かもしれませんが広い会場(オーケストラ本番の日でリハーサル終了後、誰もいないステージとかオススメです)で自分のいいと思う音を吹いてみて会場に響いた音を自分で聴いてみるといいですね。どんな音が会場に長く響いてくれるのか、そんな意識を持つといいかもしません。楽器の性能が大きいのかもしれませんが・・・奏者としてもできることはあるはず。
身体の使い方も少し気になりました。腰から下が一切動かないのは健全な状態とは言えません。テンポに合わせて縦に動くのは絶対に悪影響が出ますが、もう少し重心を下げて全身を使うイメージを持つと良いと思います。
6.演奏会用独奏曲/ピエルネ
ダイナミクスの使い方が上手い演奏だったと思います。ピアノ伴奏とのバランス感覚も良く、いいアンサンブルができていました。
直立不動なのはやっぱり気になりますね。動けばいいというものではありませんし、なんなら体を動かすことはデメリットの方が多いのですが・・・まるで座ってオーケストラの中で演奏しているかのような動きなのは気になります。足の踏み場なんて変えてもいいのですから、もう少し全身を使うイメージを持つと豊かに楽器が響いてくれるようになります。
技術的にはほとんど言うことはないです。足りないのはアゴーギグ。よく言えばテンポとリズムに正確なのですが・・・聴いていてワクワク感が足りません。特にピアノ伴奏がいなくなるところで完全インテンポなところが多すぎる。少し速くなるのはいいのですがその分時間を使う場所もないと人の記憶には残ってくれません。次ソロ曲に挑戦するときはぜひ長いカデンツァのある曲か、アゴーギグがたくさん含まれている曲を!
ボザの作品各種、モーツァルトの協奏曲、シューマン作品各種、なんかおすすめです。
念願かなっての出演と曲、よかったですね。合計したらけっこうな時間をかけただけあって曲への理解とイメージはよくできていたと思います。
細かいミスが多いのは確かですが聴いている側はそこまで気にならない印象でした。ミスがあっても音楽が流れが止まっていないのはとってもいいことだと思います。ミスの原因は・・・いわゆる基礎力というやつでしょう。基礎のレッスン、いつでもやるから受けにおいで。
悪い意味で優等生な演奏を目指している印象があります。音楽の流れは自然でいいのですが、フレーズの頂点の設定が甘く、音楽を点でとらえている傾向にあります。頂点が甘いので収まることもできない、という感じかな。音楽は「時間の芸術」なんて呼び名があるもの。常に時間は流れているので先へ先へ考えられるような演奏ができるようになりましょう。
とはいえ間違いなく上達しているのも確か。じっくり楽器を練習する時間は減っていくかもしれませんが、だからこそ考えながら練習できるようになっていくはず。
8.ファンタジー/ボザ
圧巻。フレーズの端々にこだわりを感じる演奏でした。昔から指摘してきた欠点である効率の悪いビブラートも減ってきました。特別意識がないなら、歳とって無駄なことする体力がなくなってきた、というのもあると思います。その気持ちよくわかります。
低音の豊かさが際立っていました、会場との相性もあるかな?低音が豊かだとピアノとよくハモるんですよね。ある程度ハイトーンへの意識のあるリードでこれは素晴らしいこと。
前半もったいなかったのは無音の時間の使い方。練習がシステマチックになると陥ることが多いんだけど、間の使い方というのは今回みたいな曲をやるととっても大事になってきます。フレーズをおさめる、ブレスをする、発音をする。この3つ以外にも気を遣えるともっと素晴らしい演奏だったと思います。
後半はもう少し軽快だとよかったかな・・・。テンポの影響もありますが、今回くらいのテンポ感でも軽快さは出せたと思います。オシャレさというか、軽さというか、皮肉じみたかんじ、というか。わかるかな。
毎回楽しませてもらってます。次回も楽しみにしてます!